高市早苗政権エピソード4:政権発足当初の安全保障・外交政策
高市早苗政権は安全保障分野では積極姿勢を鮮明にし、発足直後から安保三文書の改定の前倒しを打ち出す一方、安保関連予算をGDP比2%とする目標も予定より早くほぼ達成する。外交分野では強固な日米関係や友好的な日韓関係を示すことに成功した。その一方で、台湾有事をめぐる首相発言をきっかけに日中関係は急速に悪化し、経済的威圧を受けることになった。
竹中 治堅
2026.07.01
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「安保三文書改定」
2025年10月21日に高市早苗首相は就任後、国内経済政策の柱として「責任ある積極財政」を掲げ政策立案を始める。それでは首相は安全保障・外交分野ではどのような政策を策定しようとしたのであろうか。本稿では政権発足してから26年1月ごろまでを主な対象として、首相が推進した安全保障・外交政策について説明する。
安全保障政策から見ていきたい。首相が推進する安全保障政策の骨格は10月24日の所信表明演説や10月20日の「自由民主党・日本維新の会 連立政権合意書」に表れている。首相は所信表明演説で26年中に「防衛力の抜本的強化を進める」ためにいわゆる安保「三文書」―国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画を改定する方針を発表する。
現在の三文書は岸田内閣が22年末に策定した。国家安全保障戦略の最後には「本戦略はおおむね 10年の期間を念頭」に置いていると記しており、改訂は30年代初頭と考えられていた。首相は改定を大幅に前倒しにすることにしたわけである。