高市早苗内閣の課題:経済政策
高市早苗首相の「富国強兵」
首相は2月8日の総選挙に大勝した。首相は求心力を高め、制度的に強化されている権力基盤にも支えられ、「首相支配」型の政権運営を行うはずである(首相の求心力が高まったことについては「2月8日総選挙における自民党大勝の理由」で詳しく述べている。)
本稿では、首相が今後取り組む政策課題について議論する。首相の目標を一言で言えば、令和の「富国強兵」である。これは首相が総選挙中「日本列島を、強く豊かに」と語ったことに表れている。令和の「富国強兵」は二つの政策=経済政策と安保・外交政策からなる。本稿ではこのうちの経済政策について議論する。
「責任ある積極財政」
経済政策には二つの柱がある。第一の柱は「責任ある積極財政」である。より具体的には「責任ある積極財政」の主な内容は予算編成方法の変更と首相が重視する分野への積極的投資である。首相は、長年、国が日本にとって必要な投資を怠ってきたことを問題視し、国が重要な分野に投資を行うことによって民間の投資も喚起し、日本経済の成長を促そうと考えている。
首相の問題意識を確認しておこう。首相はこの政策を説明する時に必ずと言っていいほどこれまでの財政は「緊縮」だったと評価する。例えば、衆議院を解散することを説明するために1月19日に開いた記者会見では「行き過ぎた緊縮財政の呪縛」とこれまでの予算のあり方を批判する(首相官邸ホームページ「高市内閣総理大臣記者会見」2026年1月19日)。
予算全体についてこの評価は的確ではない。実際には2018年度予算以降、予算規模は拡大を始め、特にコロナ危機をきっかけに大型補正予算が組まれるようになり、予算の規模は大きく増加しているからである。2017年度予算は99.1兆円である。これに対し2025年度予算は126.5兆円であり、25兆円以上増えている。
首相の言う「緊縮」とは
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