高市早苗政権エピソード3:政権発足当初の経済政策

2025年10月21日に高市早苗首相は就任後、閣僚人事を行うと政権運営をはじめ、政策立案を始める。本稿では経済政策に焦点を当てて政権発足当初の政策立案過程を分析する。
竹中 治堅 2026.06.01
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「責任ある積極財政」

2025年10月21日に高市早苗首相は就任後、閣僚人事を行うと政策立案に乗り出す。高市早苗首相は「責任ある積極財政」を掲げ政策立案に乗り出す。10月24日に行った所信表明演説や初期の施策の内容をまとめてみると、首相が推進した経済政策には三つの柱がある。一つは内閣が経済安全保障などで重視する戦略分野を示し、「危機管理投資」と「成長投資」二つを柱とする「戦略投資」を産業支援策として行い、これにより民間企業からの投資も誘発し、経済成長を促す、というのがその主たる内容である。二つ目は国民への直接の資金給付、エネルギー価格への補助金、ガソリン税の暫定税率の廃止を主な内容とする物価対策である。三つ目は給与所得控除額の引き上げによる所得税減税である。本稿ではこれらの経済政策を分析する。なお、高市首相は26年1月に解散を決断した頃からの言説との違いにも触れておきたい。解散の理由を説明した頃から首相は、従来の内閣は緊縮財政を続ける一方、必要な政策経費を補正予算に計上したことについて繰り返し言及するようになる。内閣発足当初に首相がこうした議論を行うことはなかった。

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